むし歯の予防指導
過能歯科医院では、歯のクリーニングやフッ素塗布などの予防歯科治療もおこなっていますが、歯みがき指導など、ご家庭でできるむし歯予防の指導もおこなっています。
お子様の歯(乳歯)の表面は大人よりも薄いので、むし歯になりやすくなっています。むし歯予防には毎日の歯みがき(プラークコントロール)が効果的ですが、大人でも完璧な歯みがきができている人は稀です。永久歯が生え揃う11~12歳くらいまでは大人が歯みがきの仕上げを手伝ってあげるなど、ぜひ保護者の方が意識してお子様の歯を守ってあげてください。
乳歯列期に気をつけて欲しいこと
おやつのあげ方に注意しましょう
乳歯が生え始める頃から2歳くらいまでは、最もむし歯になりやすい時期です。離乳期を過ぎても母乳を与えているとむし歯の原因になりますし、スポーツ飲料を哺乳瓶で飲ませることもむし歯になりやすい一因です。歯が生え始めたらおやつのあげ方に注意し、「食べたり飲んだりしたら歯をみがく」の習慣をつけるトレーニングを始めましょう。
お子様の口の管理をしてあげてください
お子様は、ひとりでは口や歯の管理をすることができません。歯みがきの仕上げチェックをするなど、家族の方がお子様の口腔管理をしてあげてください。乳歯のむし歯は、放っておくと永久歯の萌出に影響をおよぼすことがありますので、お子様の歯で気になることが見つかったら、どうぞお気軽にご相談ください。
どうしてむし歯になるの?
むし歯の原因
むし歯の原因は、口の中の細菌(むし歯菌)です。
むし歯菌が食べ物に含まれる糖を酸に変えるのですが、口の中の酸の濃度が高くなると、歯が溶けてしまいます(専門的には、脱灰といいます)。この状態が「むし歯」です。
ごく初期のむし歯は唾液の力で自然に修復されるのですが(再石化といいます)、口内にむし歯の原因となる糖(食べ物)が入っている時間が長くなると、唾液による歯の再石化が間に合わなくなってしまうのです。この段階になると、歯科治療が必要になります。
一度歯についてしまったむし歯菌は、歯みがきなどで清掃をおこなわないと除去できません。むし歯にならないためには、「食べたら歯みがき」を習慣づけることが大切です。
むし歯はうつる?
実は、生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはむし歯菌が存在していません。
身近な大人から唾液を通して感染することによって、口内にむし歯菌が発生します。例えば、口移しで食事を与えたり、スプーンなどの食器を共有することなどでうつってしまいます。
しかし、身近な大人が口内を清潔に保つようにすれば、感染は防げます。まずはお子様の周囲の大人が口腔ケアに努め、口の中のむし歯菌を減らすように心がけください。お子様の歯を守れるのは、身近な大人である保護者の方だけです!
ご家庭でできる「お子様のむし歯予防」
早期からのブラッシング指導(歯みがき練習)
小さいうちから、歯みがきをする習慣をつけましょう。もちろんむし歯予防に役立ちますが、早くから口の中を触られる習慣をつけておけば、歯科医院で口の中を治療されることに抵抗を感じにくくなるというメリットもあります。
お子様のブラッシング指導の方法については、歯科医師にご相談ください。
食事やおやつの時間を決める(規則正しい食生活)
時間を決めずにいつも何か食べていると、歯の再石化が間に合わなくなって、むし歯になりやすくなります。糖分の多いものを時間をかけて食べる(常時アメをなめているなど)のも、むし歯を作りやすくします。
ただ、お子様の間食は「補食」の意味もありますので、むし歯の原因になるからといって、間食を禁止することは好ましくありません。「欲しがるからあげる」のではなく、「決まった時間にあげる」ようにしてみてはいかがでしょうか?
もちろん、食べたら必ず歯をみがくようにしましょう。
定期的な歯科検診
定期検診を受ける習慣をつけておけば、むし歯になる前にケアすることができます。また、万一むし歯になったとしても痛くなる前に治療することができますので、歯科医院や歯科治療に対しての抵抗感を軽減できる場合もあります。
もちろんむし歯の早期発見・早期治療は、大人にも言えることですので、家族そろって検診を受ける習慣をつけてみてはいかがでしょうか?